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2018/03/26 23:53
さて、ポストパンク紹介の第3回目。
今回でとりあえず最後なので、中堅どころをあげてみましょう。でもバンドによってはPILとかジョイ・ディヴィジョンよりぜんぜん売れてますが。アーチスト写真はすべてモノクロのを選んでポストパンク感を出してみました。
まずは77年結成、リーズ出身の4人組「ギャング・オブ・フォー Gang Of Four」です。
金属的なギターサウンドにファンクのリズムのアンサンブルがとてもタイト。そこにポリティカルな歌詞が乗ります。そもそもバンド名は中国文革の四人組から由来していますから、政治的な主張はありありです。
ヒット曲は…ないなあ。でも彼らの代表曲と言えばこの「ダメージド・グッズ」でしょう。
Gang Of Four - Damaged Goods
ギャング・オブ・フォーは一旦解散したものの、再結成して現在も活動中です。フジロックにも出演しています。残念ながらヴォーカルのジョン・キングは2012年に亡くなってしまいました。
こういったリズム隊がファンクっぽくて、ギターがノイジーでメタリックなバンドはポストパンクのカテゴリーにはいっぱいいます。そんな中でもキャラクターやサウンドが突出しているのがギャング・オブ・フォーや次に紹介するオー・ペアーズだったりします。
バーミンガム出身の男女2人ずつの4人組バンドです。曲は「カム・アゲイン」
Au Pairs - Come Again
日本ではあまりなじみないし、わずか2枚のアルバムを残して消滅した短命なバンドですが、ソリッドなバンド・アンサンブルは印象に残ります。このバンドもヒット曲はないですが、この映像の曲のほかでは「We're So Cool」という曲は必聴です。ソー・クール!
ちょっと怖いかんじのヴォーカルのレスリー・ウッズは現在弁護士とのこと。
ではここからはちょっと知られたバンドを並べましょう。
まずは、分厚いクチビルが魅力のイアン・マッカロク擁する「エコー&ザ・バニーメン Echo&The Bunnymen」です。
曲は、いろいろとヒット曲はありますが、ファースト・アルバムのタイトル曲である「クロコダイルズ」をあえて。YouTubeではよく聴こえませんが、ベースがかっこよすぎ。
Echo & The Bunnymen - Crocodiles
78年にリバプールで結成。一時は日本でアイドル的な人気者になりました。でもサウンドは硬派。それでもイギリスではシングルにもアルバムにもベスト10に入るヒットがあります。ちなみにエコー&ザ・バニーメンのエコーはイアンのことではなく、初期に使っていたドラム・マシンの呼び名だそうです。
硬派なサウンドといえばこのバンド。ロンドン出身の「キリング・ジョーク Killing Joke」
現代のラウド・ロック、オルタナティヴ・ロックの始祖とも言えそうなヘヴィなギターにプリミティヴなドラム。ヒット曲には85年作の「ラヴ・ライク・ブラッド」がありますが、もっともキリング・ジョークらしいサウンドの「ウォー・ダンス」をどうぞ。
Killing Joke - War Dance
すげーパンクのりだ。濃ゆい顔のヴォーカルのジャズ・コールマンはキーボードも弾きます。ベースのユースは、なんとポール・マッカートニーとふたりで「The Fireman」というユニットをしています。
次はパンク・バンドのバズコックスを解散後、ハワード・デヴォートが結成した「マガジン magazine」です。
パンク・バンドのひとが辞めて新しく結成したバンドは必然的にポストパンクですね。PILと同じ。曲は彼らの作品の中でもっともポップな「モデルワーカー」です。
Magazine - Model Worker
こういう性急なビートはディーヴォとかにも感じられます。というよりディーヴォだよね、これ。どっちが結成が先なんだろ。日本のPモデルっぽい。
ポップなポストパンクの代表格と言えばXTCでしょう。
アンディ・パートリッジとコリン・ムールディングを中心に72年(!)に結成された4人組バンド。アルバムもシングルもそれなりに売れていたので知名度は高いですが、それよりもミュージシャンに人気があったいわゆる「ミュージシャンズ・ミュージシャン」なバンドでした。曲は「ジェネラルズ・アンド・メージャーズ」
XTC- Generals and Majors
イントロのギターが印象的。これはコリンがヴォーカルだったのか。この曲が彼らの最大のヒット曲だと思っていましたが、82年の「センシズ・ワーキング・オーヴァータイム」のほうが売れてました。こちらも必聴。でも、XTCはポストパンクというよりニューウェイヴのバンドかなあ。微妙だなあ。
ええと、そして、最後はポストパンクの異端「コクトー・ツインズ Cocteau Twins」です。
スコットランド出身、ツインズといいながらも、ほとんどの活動期間を3人組で過ごしました。曲は86年リリースの名曲「ラヴズ・イージー・ティアーズ」です。
Cocteau Twins - love's easy tears
一聴してわかりますが、ほかにないワン・アンド・オンリーな音。シューゲイザーの元祖だしゴシックロックにもつながるサウンド。
彼らのサウンドを評してドリームポップと言うこともありますが、まさにそれです。黄泉の国というか涅槃の音楽。こういう作品がイギリスではチャートに入ったりするんだからすごい。ちなみに彼らの最大のヒットアルバムは「ヘヴン・オア・ラスベガス」。天国つながりだ。
ポストパンクのバンドはほかにもいっぱいいっぱいあります。今後もちょこちょこと紹介いたします。今後はもっとマニアックに、ポストパンク奥の細道で行きましょう。
ギャング・オブ・フォーの在庫作品
エコー&ザ・バニーメンの在庫作品
イアン・マッカロクの在庫作品
キリング・ジョークの在庫作品
マガジンの在庫作品
XTCの在庫作品