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2018/01/14 22:00
最近、いつも聴いているのがニック・ヘイワードの新作の「ウッドランド・エコーズ」です。
とにかくポップ。でも押し付けがましさはなく、耳に優しいサウンドで、どんな気分のときでも体が受け付けます。
ジャケットもサウンドをそのまま体現してる。
さて、この作品を作ったニック・ヘイワードとはなにもの?
ニック・ヘイワード(Nick Heyward)はイギリスのケント州出身の6人組であるバンド「ヘアカット100」の元フロントマン。
バンドは80年に結成され、81年にリリースしたデビュー・シングルの「フェイヴァリット・シャツ」がいきなり全英で4位を獲得。そこから翌年にかけてリリースした計4枚のシングルは、すべて全英トップ10に入り一躍スターになりました。
Haircut 100 - Favorite Shirts (Boy Meets Girl)
「Favorite Shirts」の邦題は「好き好きシャーツ」。間違ってないけどそのセンスは謎。小山田圭吾と小沢健二のフリッパーズ・ギターが曲をカバーしています。そのまんま英題がHaircut100という曲も彼らは作っています。
ファンキーで、そしてホーンが入っていることから、ファンカラティーナというサブ・ジャンルにカテゴライズされもしました。アイドル的な人気もありましたね。
ヘアカット100のファーストアルバム「ペリカン・ウェスト」はそんなこんなで全英で2位まで上昇。
それではもう1曲、アルバム収録曲で全英3位まで上昇した「ラヴ・プラス・ワン」です。
Haircut 100 - Love Plus One
若いな。若造だ。
ところが、これからという翌1983年にニックがバンドを脱退。脱退されたヘアカット100は求心力を無くし、そして後にリリースするシングルやセカンド・アルバムはまったくヒットせず、1984年に解散となりました。
一方で、彼はすぐさまソロ作をリリース(ひどい!)。83年の10月にファースト・アルバム「ノース・オブ・ア・ミラクル(邦題:風のミラクル)」を発表しヒットします。
シングルもヒット。曲は全英13位まで上昇したファースト・シングルの「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド」です。
Nick Heyward - Whistle Down The Wind
一聴してわかるのは、バンドのものよりぐっと大人なサウンドであること。こういうのがやりたかったんで辞めたんだ~と思いましたが、ほかの収録曲には、まさにヘアカット100という曲もあったりします。迷いというか過渡期といったらいいんでしょうかね。
アルバム収録曲をもう1曲。「ホイッスル~」ほどヒットはしませんでしたが、ほどよいアッパーさが魅力の「オン・ア・サンデイ」です。
Nick Heyward - On A Sunday
彼の作品のタイトルは「DAY」がつくものが多いのですが、これもそんな中のひとつです。
この後、彼の作品のリリースの頻度は減り、そして出す作品のセールスも落ちていきます。
リリースされた作品を聴いても、なにが悪かったのかはわかりません。たぶん時流とか流行とかそういったものと乖離して行ったのでしょう。
1998年にクリエーションからリリースされた「アップル・ベッド(The Apple Bed)」はUKアルバム・チャートに入ることもなく、ここで彼のソロ作品は絶えてしまいました。
さて、それから20年余。数枚のコラボ作などを細々とリリースし、活動をしていることだけはわかっていたニックでしたが、2015年にウェブで新作を製作中であることをアナウンス。それから待たされること2年。2017年に冒頭の「ウッドランド・エコーズ(Woodland Echoes)」がついにリリースされました。
まずはアルバムからのファースト・シングル・カットの「ベイビイ・ブルー・スカイ」です。
Nick Heyward - Baby Blue Sky
いい塩梅のロック・ナンバー。やるほうも聴くほうもおじさんになるとこういうロックが聴きたくなります。
もう1曲。これはセカンド・シングルの「パーフェクト・サンデイ・サン」です。
Nick Heyward - Perfect Sunday Sun
いい曲だなあ。映像に出てくるニックはりっぱなおじさんですが、若造の頃のメロディ・センスは持ったままです。
ほら、この曲のタイトルにも「DAY」が入っている!
2018年にはどなたか招聘していただけないでしょうかねえ。ビルボードあたりで観たいです。
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