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2018/10/02 04:40

10月になり、やっと暑さのきびしさが弱まってきました。日が沈む時間も早くなり、これから冬に向かっていくのかと思うと、ちょっとさびしくさえなってきます。

秋の夜長には音楽のひとつも聴きたくなるものですが、そこでおすすめなのが、ベルギーにあるインディー・レーベルの「クレプスキュール」からリリースされた音楽作品です。




「クレプスキュール(Les Disques du Crépuscule)」は、ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーをリリースしていたイギリスはマンチェスターのレーベル「ファクトリー・レコード(Factory Records)」のベルギー現地法人である「ファクトリー・ベネルクス(Factory Benelux)」を運営していたミシェル・ドゥヴァル(Michel Duval)とアニック・オノレ(Annik Honoré)らによって創設されたインディー・レーベルです。レーベル名はフランス語ですが、クレプスキュールを日本語に訳すと「たそがれ」や「薄暮」になります。ディスクはレコードなので「黄昏レコード」あたりがレーベル名になるでしょうか。

このレーベル名と、レーベルのリリース作のサウンドやイメージが(概ね)マッチしていているところが、クレプスキュール・レーベルとそのアーチストの特筆する点です。本当に、たそがれ時に聴くための音楽というか。

途中休止を経て、現在も活動しているクレプスキュール。今回は、このレーベルから作品をリリースしているアーチストとその作品を紹介したいと思います。数が多いので、代表的なもの、それを男性・女性アーチストに分けて紹介します。今回は女性アーチスト。

まずはレーベルの顔と言ってもよいアンテナ(イザベル・アンテナ)です。

フランス出身、最初は女性2人、男性ひとりのバンドのアンテナ(ANTENA)でしたが、後に女性メンバーのイザベル・アンテナ(Isabelle Antena)のソロ・ユニットになりました。

こちらがソロになってのアンテナ姐さん


アンテナのサウンドは、最初はサンバやジャズをエレクトロポップにアレンジするという当時画期的なものでしたが、後にイザベル・アンテナ名義になってからはAORやジャズ、アダルト・コンテンポラリー的なサウンドに移行していきました。しかしながら、初期のエレクトロ・ボサノバが今でも彼女(彼女ら)の代表曲になっています。

レーベルの初期作品ということもあり、クレプスキュールのレーベル・カラーをイメージづけた作品のひとつが、アンテナのサウンドであることは疑いの余地はありません。それでは、エレクトロ・ボッサのパイオニア、アンテナの「イパネマの少年」です。

Antena - The Boy From Ipanema


アントニオ・カルロス・ジョビン作の有名曲の主人公を娘から少年に変え、エレポップ風味にカバー。現在ではそんなアレンジはいくらでもありますが当時は驚きで、日本のアーチストがお気に入りとしてラジオなどで頻繁にオン・エアしたものでした。

ソロになってからのイザベル・アンテナですが、音楽性が変わったというか進化しましたが、こちらもどれも良いのです。スマッシュ・ヒットはありませんが、コンスタントに良作をリリースしています。

それでは、アメリカのアニメである「ブーンドックス」の挿入歌である「セイ・アイ・ビリーヴ・イン・イット」を。

Isabelle Antena - Say I Believe In It


おしゃれでありながら感動的という名曲です。多作なこともあってですが、ほかにもいっぱい名曲があります。


次にお勧めするのは、フランスのエレポップ・デュオ「ミカド」です。

ヴォーカルのパスカル・ボレルと プログラミングのグレゴリー・ツェルキンスキーによるミカド(MIKADO)は、デビュー・シングルの「パラザール」が、80年代半ば日本のミュージシャンから注目され、一種流行のようなかたちでブレーク。特にYMOが絶賛し、坂本龍一はラジオでプッシュ、細野晴臣は自身のレーベルであるノン・スタンダードから、彼らのアルバムをリリースするに至りました(本国ではDisques Vogueから)。

MIKADO - Par Hazard


一聴しておしゃれ。一瞬盛り上がったミカド人気でしたが、結局数枚のシングルとその一枚のオリジナル・アルバムを残して解散。日本では人気でも、海外では人気は広がらなかったということでしょうか。ちなみに海外では、ミカドは知る人ぞ知るカルトなバンドと認識されているようです。パスカルは現在も音楽活動を続けています。

もう一点余談を。作家の猪瀬直樹は著書「ミカドの肖像」の冒頭に(ツカミとして)彼らのインタビューを載せています。

三人め、最後はアンナ・ドミノです。

日本生まれのアメリカ人アーチストであるアンナ・ドミノ(Anna Domino)は、ニューヨークで音楽活動をしていましたが、宅録したカセット作品がクレプスキュールの目(耳)にとまりレーベルと契約。セカンド・シングルの「Rythm」がベルギーでベスト10入りし、現地での活動を活発化させました。80年代の終わりに来日したこともあります。

Anna Domino - Rythm


ジャジーなサウンドにアンニュイなヴォーカル。でもバックにはベルギーのテクノ・ユニットとしてマニアックな人気のある「テレックス」がいたりもして、彼女の音楽性はひとつに括ることができないほどに多様です。たとえばこれ。シンセポップになったとてもダウナーなアレサ・フランクリンのカバー。84年リリースのミニ・アルバム「East and West」の収録曲です。バックは坂本龍一のプロデュースで作品をリリースしたこともあるヴァージニア・アストレイやタキシード・ムーンのブレイン・L・レイニンガーなど。

Anna Domino - Land Of My Dreams


音楽性は三人三様ではありますが、共通点といえば「やさしくておしゃれなニューウェイヴ・サウンド」ということでしょうか。80年代のスノッブでクールなおしゃれ感が、敬遠され嘲笑された時期もありましたが、時はめぐって今だと新鮮に聞こえてきます。

長くなりますが、男性アーチスト編に続きます。


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