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2019/02/05 01:07

相変わらず現役でツアーに勤しんでいるイギリスの国民的バンド「ニュー・オーダー」

春以降のツアー・デートも続々発表されて、今年も精力的に活動する気満々です




4月にはファースト・アルバムである「ムーヴメント」のボックス・セットが発売予定。LP1枚、CD2枚、DVD1枚のヴォリュームで、ファンはまた散財することになります。さらに初期の12インチ・シングル4枚もアナログで再発されるとのことで嬉しいやら悲しいやら。
これら1ボックス・セット、4枚のシングルをすべて買うとすると3万円くらいになりそう…



さてそれはさておき。今年1月30日で彼らの5枚目のオリジナル・アルバムである「テクニーク(Technique)」が発売30周年でした。


1989年に発売のこのアルバムは、ニュー・オーダーの作品で初めて全英1位になったという特徴のほかに、音楽性がかなり冒険した作品であるという面がありました。

それは、アシッド・ハウスやハードコアなテクノなどのクラブ・ミュージックへの急接近です。

以前からエレクトロなダンス・ミュージック指向であったニュー・オーダーではありました。「ブルー・マンデー」は異形のダンス・ミュージックですし「コンフュージョン」はアーサー・ベイカー作品そのものなダンス・ミュージックでした。なので、そういったジャンルを突き詰めて行くことに不思議はありませんでしたが、元ジョイ・ディヴィジョンという出自とその幻影を持つファンからすると、当惑するサウンドであることは確かです。

なんといってもアルバムを印象付けたのは1曲目の「ファイン・タイム」でしょう。この1曲でこのアルバムの印象が確定してしまったという感じで。

New Order - Fine Time


こりゃ物議を醸しそう。アブストラクトなクラブ・ミュージック。バーナード・サムナーはあまり歌ってないし。でも全英シングル・チャートの11位まで上昇しました。

録音はなんせ聖地のスペインはイビザ島ですから。そして重要なのはこのMVにも出ていますが、ファイン・タイムのジャケットにもある薬のカプセルが表していることです。つまり(ケミカル)ドラッグです。



サムナーの自伝である「ニュー・オーダーとジョイ・ディヴィジョン、そしてぼく」(荻原麻理訳、Pヴァイン)でも書かれていますが、この頃の彼(とピーター・フック)はドラッグ(要はエクスタシーですな)に溺れていて、イビザで録音の理由も結局はそこにあるわけです。なので全然仕事をせず、基本トラックはスティーヴン・モリスとジリアン・ギルバート夫婦が作っていたとのこと。翌年にリリースされる夫婦のプロジェクトである「ジ・アザー・トゥー」のサウンドを聴くと、それは本当のことであると確信します。

The Other Two - tasty Fish


タイトなドラミングで定評のあるスティーヴン・モリスは打ち込みのビートも大好き。ちなみに本作は全英シングル・チャートの41位を記録。ジリアンもニュー・オーダー作品で歌えばいいのに。

でも、アルバムのすべてがアシッド・ハウス/テクノなサウンドというわけでありません。9曲のうち半分ほどがそうであって、半分は以前からのファンが求めていた「エレクトロだけど根はギター・バンド」的なサウンドです。

セカンド・シングルの「ラウンド・アンド・ラウンド」あたりは、打ち込みとはいえ皆が欲している切ないメロディーのニュー・オーダー節が出ています。ピーターのベースもちゃんと聞こえるし。こちらは全英21位。これを聴くとファイン・タイムがいかにイレギュラーな存在であることかが理解できます。

New Order - Round and  Round


賛否両論はあったものの結果的にはコマーシャルな成功を成し遂げ、翌年にはサッカー・アンセムである「ワールド・イン・モーション」を創作することになるニュー・オーダーの(第1次)全盛期を築き上げた「テクニーク」

どれをシングル・カットしてもオーケーなほど良い曲満載で、かつヴァラエティに富んだサウンドのアルバムなわけですが、ひとつ不思議なことがあります。

それはB面1曲目の「ラン」(Run)の作者がニュー・オーダーの4人とJohn Denverになっているところ。

え?それってアメリカのシンガー・ソング・ライターのジョン・デンバーのこと?カントリー・ロードの? 




実は「ラン」のギター・ブレイクが、ジョン・デンバーの作でピーター・ポール&マリーによってヒットした「悲しみのジェットプレーン」と酷似していると訴えられたためでした。結局ニュー・オーダー側が折れて(というか負けて)クレジットに入れることに。

いざ聞き比べ!

まずニュー・オーダー

New Order - Run


続いてPPMのものを。

Peter Paul & Mary - Leaving On A Jet Plane


どうですかね? ま、とにかく両方とも良い曲であることだけは確か。ちなみにPPMのこの曲は全米1位で、ニュー・オーダーのランは全英49位でした。

ピーター・サヴィルのジャケット・デザインも秀逸な本作。今また聴いてみてはどうでしょう。ニュー・オーダーからジョン・デンバーを聴くようになって、さらにPPMのファンになったりとか……そういうことが起こる可能性も否定できない!

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