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2019/07/03 07:50

今年ももう半年が経過。時の経つのは早いものです。去年の年末に来日がアナウンスされましたが、まだまだ先の話だなあ、と思ってたらもうすぐ来日。繰り返しますが、時の経つのは早い。


7月13日、14日にジャー・ウォブルズ・インヴェイダーズ・オブ・ザ・ハート(Jah Wobble's & The Invaders of the Heart)が来日します。



さて、まずジャー・ウォブルとはなにもの?

一般的にはパブリック・イメージ・リミテッドのオリジナル・ベーシストというので有名です。でもPILで活動したのはわずか2年。その後30年以上を様々な音楽活動に費やしてきているので、とりあえずイギリスのアーチスト、ミュージシャン、ベーシストあたりがよろしかろうと。

ジャー・ウォブル、本名はジョン・ジョセフ・ワードルで1958年イースト・ロンドン生まれ。
1978年、旧友のジョン・ライドンに誘われパブリック・イメージ・リミテッドにベーシストとして参加。

PIL - Public Image


学生時代にはThe Four Johns (ザ・フォー・ジョンズ。つまり4人のジョン)というバンドをやっていました。メンバーはジョン・ライドン、ジョン・グレイ、ジョン・サイモン・リッチー、そしてジョン・ワードル。ジョン・サイモン・リッチーとはシド・ヴィシャスの本名で、シドがジャー・ウォブルという芸名(というかステージ・ネーム)の名付け親です。いつもアルコールとドラッグでふらふらしていた彼を見て「wobble =よろよろする、ふらふらする」とシドがつけたという伝説があります。

ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのアストン・べレットが弾く、旋律を際立たせたベースに憧れてベースを弾き出したウォブルは、PILのセカンドアルバムである「メタル・ボックス」で存在感を発揮。極端にでかく重いベース音のインパクトは、缶入り3枚組というジャケットのインパクトよりも大きいものがありました。

PIL - Death Disco (Swan Lake)


しかし翌年の80年にリリースした初のソロ・アルバムが、メタル・ボックスのセッション音源を流用して制作されたことによってバンド・メンバーと仲違いし脱退ということに。音源流用のほかにドラッグとアルコールの影響もクビの原因だったようです。

Jah Wobble - Not Another


この曲はソロ・アルバム「The Legend Lives On...Jah Wobble in Betrayal」に収録の「Not Another」ですが、メタルボックスの「Graveyard」そのまんま。これじゃたしかにクビになりますな。


ウォブルはその後 PILのオリジナル・ドラマーであるジム・ウォーカー(Jim Walker)らとヒューマン・コンディション(The Human Condition)というバンドを結成ししばらく活動。そして1982年にジャー・ウォブルズ・インヴェイダーズ・オブ・ザ・ハートを結成することになります。


それと同時に、様々なアーチストとのコラボレーションも開始。コラボ相手にはCANのホルガー・シューカイ(Holger Czukay)ヤキ・リーベツァイト(Jaki Liebezeit)U2のジ・エッジ(The Edge)など有名どころが多く、後年にはブライアン・イーノやビル・ラズウェルなどとも共作しています。

Jah Wobble, The Edge, Holger Czukay - Hold On to Your Dreams


これは日本のCMでも使われた曲です ↓

Jah Wobble, Jaki Liebezeit, Holger Czukay - How Much Are They?


しかし、だんだんとドラッグとアルコール禍がひどくなり、86年には音楽業界から離れ、フツーの仕事に転職します。業界にいたらドラッグ・アルコールからはなかなか遠ざかれません。

職としては例えばロンドン・タクシーの運転手。例えばロンドンの地下鉄職員。


しかし元インヴェイダーズ・オブ・ザ・ハートのパーカッショニストであるネヴィル・マレイ(Neville Murray)からのラヴコールによってバンドを再結成。音楽業界に復帰することになりました。ウォブル曰く、87年からクリーンのままだそうです。

90年代からは前にも増して音楽活動を活発化し、特にワールド・ミュージックとダブ・ミュージックで活躍します。

98年には中国の箏(そう)の演奏者である子嵐(Zi Lan Liao)とコラボ。のちにチャイニーズ・ダブ・オーケストラとしてのアルバムを発表。2000年には個人名義でモーラム(ラオスやタイのラーオ族の伝統音楽)ダブを発表と、アジア地域の音楽とダブを組み合わせた作品をリリースしていきます。

なおZi Lan Liaoは現在の奥さん。ふたりめ。ひとりめの奥さんとの間にはふたり娘がいますが女優をやっています。

むすめのヘイレイ・エンジェル・ホルト



話は、アジア音楽とダブについてに戻りますが、極めつきは2016年リリースのジャー・ウォブル&ニッポン・ダブ・アンサンブルの「Japanese Dub」でしょう

Jah Wobble & The Nippon Dub Ensamble - Shinto Dub


神道ダブって……ファンではありますが、さすがにここはちょっとついていけない感じもします。ジャケの「間」はダブ的でいいけど。


さて、ではオリジナルPIL再結成なんてのはどうなのでしょうか。

実は2009年、ウォブルはPILに誘われています。おそらくパーマネントなメンバーとしてではなく、イヴェント的な集まりだとは思いますが、その時は演奏する会場の件と、当然ながらギャラの面で折り合いがつかず、ぽしゃってしまいました。

ですが、その後キース・レヴィンとの親交が再開し、2012年にはフジロックにメタル・ボックス・イン・ダブ名義で参加しました。

Metal Box in Dub - Public Image


フジロックでのライヴ映像。そのまんまなヴォーカルに苦笑い。

ウォブルはこの時期あたりから、けっこうあからさまというか忌憚なくPILの曲を演奏しています。

2017年のインヴェイダーズ~名義の「ユージュアル・サスペクツ(The usual Suspects)」では3曲のカバーを収録。また最近のライヴでもカバーを演奏しているので、今回の来日公演でも必ず聴くことができるでしょう。まあ、アレンジはずいぶんと違いますが。

Jah Wobble's Invaders of the Heart - Public Image


「ユージュアル・サスペクツ」はCDだとPILのカバーのライヴが2曲収録され、また上に張った「ハウ・マッチ・アー・ゼイ」や過去曲のリメイクも収録されているので、来日の予習には最適かと思われます。

今回はあまりにも簡単なジャー・ウォブル振り返りで、本当はもっと深堀したものを書きたかったのですが、作品や参加したものがあまりにも膨大なので、とても簡潔にはまとめることができません。イニシアチヴをとって作った作品は100以上、1曲参加やミックスなどは1000は優にあります。

そういえば日本のアーチストのリミックスもやってました。ソフトバレエの「テクスチャー」です。

Soft Ballet - Texture


ワルツで沖縄音階でジャパネスク。けっこうウォブルのエッセンスが出ている秀逸なミックスではないでしょうか。

それにしても会場の新宿MARZ。この前は元スミスのドラマーのマイク・ジョイスを呼んでDJやトーク・ショーをやったり、来年にはア・サーティン・レイシオが来る予定だったりと、ポスト・パンクの聖地化しそうな雰囲気です。

新宿マーズ SHINJUKU MARZ


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