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2019/07/20 23:57

最近、ツイッターで世界中のポストパンク・ファンのあいだに重大な情報が駆けめぐりました。あくまで好事家にとっての重大さですけど。


それは今年11月にイギリスのポストパンク・バンド「ポップ・グループ」(The Pop Group)の79年デビューアルバム「Y」の40周年記念エディションがリリースされるというものです。

ポップ・グループ「Y」


ポップ・グループは78年イギリスのブリストルで結成された5人組バンド。パンクを出自にレゲエ、ファンク、ダブの要素を加えたサウンドが革新的かつ攻撃的で、アートワークや歌詞などに政治的な主張を織り込んでいたのも特徴です。



わずか3年の活動で、2枚のオリジナル・アルバムと3枚のシングルをリリースして解散。しかしながら2010年に再結成し、現在も活発にライヴ活動を行っています。

The Pop Group - She is Beyond Good and Evil (2019 Remaster)


そして、今回のテーマのファースト・アルバム「Y」ですが、もうジャケットだけで「勝ち」。写真はパプア・ニューギニアの原住民のもの。これだけでサウンドがとにかくすごそうということが推測できます。ちなみにセカンド・アルバムのジャケもすばらしい。

セカンドアルバムの「For How Much Longer Do We tolerate Mass Murder?」↓

幼児のキス写真に「我々はいつまで大量殺人を黙って見過ごすのか」のタイトル……

「Y」がリリースされたのは1979年。もう40年経つわけですが、今聴いてもサウンドの革新性とアグレッシヴさは薄まっていません。プロデュースにレゲエバンドのマトゥンビのデニス・ボーヴェルを起用しているのも先鋭的。坂本龍一のソロ・アルバム「B2-Unit」でボーヴェルがエンジニアリングを担当したのは、当然教授が「Y」を聴いての依頼でしょう。

坂本龍一「B2-Unit」



さてリリース年の1979年ですが、この年には本作のほかにもポストパンクの重要アルバムがいくつもリリースされています。そのなかのいくつかを振り返ってみましょう。

まず1作目。「Y」と同じくらい重要作で、かつ問題作だと断言できるのは、なんと言ってもパブリック・イメージ・リミテッド(Public Image Limited)の「メタル・ボックス」(Metal Box)です。

セックス・ピストルズのジョニー・ロットンが、本名のジョン・ライドンに戻って結成したバンドであるPILのセカンド・アルバムで、初回は缶入りの3枚組でリリースされました。爬虫類的なジョンのヴォーカル、キース・レヴィンのノイズ・ギターのアルペジオがなんともクールですが、とにかくヘヴィなジャー・ウォブルのベースのミックスが異常ですごすぎ。YouTubeではその音圧は体験できませんが。

Public Image Limited - Death Disco (Swan Lake)


そして2枚目。メタルボックスと同じくらいというか、知名度ではそれ以上なのがジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)のファースト・アルバム「アンノウン・プレジャーズ」(Unknown Pleasures)です。

これも40歳。ロンドンでは40周年ということで、リリースされた4月には、あらゆるところにジャケットの模様が飾られたそうです。

Joy Division - Disorder (2007 Remaster)


「Y」「Metal Box」「Unknown Pleasures」この3作が79年生まれのポストパンク最重要作ということになると(個人的に)思いますが、これはそのままリリース年関係なしのポストパンク重要作でもあるし、またバンドも最重要バンドであるわけです。

でも、もう1作落とせないものが。

それはリーズ出身の4人組ギターバンド「ギャング・オブ・フォー」(Gang of Four)のファースト・アルバム「エンターテイメント!」(Entertainment !)です。

中国の「四人組」からバンド名を取った彼らは、そのとおりの政治的な歌詞と、ソリッドなギターにファンクなビートが特徴です。数度の解散と再結成をしながら現在も活動中で、10月には来日してファースト・アルバム全曲再現ライヴを行う予定です。

Gang of Four - I found That Essence Rare


ここまでで4作。どれも名作ではありますが、それは今だから言えることであって、当時はセールス的には成功していません。では79年のイギリスではどんな音楽が売れていたのでしょうか。

これもポストパンクのひとつの形ではあります。79年に先鋭的な音楽ながらブレークしたのはエレクトロ・ポップのゲイリー・ニューマンでした。

Gary Numan ↓

チューブウェイ・アーミーというバンドを解散したゲイリー・ニューマンは、79年に出したソロ・デビュー・シングルとデビュー・アルバムがいきなり全英1位を記録。シングル「カーズ」(Cars)は全米9位になるなど、時代の寵児になりました。

Gary Numan - Cars


ポストパンクの定義は「パンクをオリジンとし、そのサウンドとアティテュードにレゲエ、ファンク、実験音楽などの要素を加えた次世代の音楽」となるわけで、ゲイリー・ニューマンのヒットから市民権を得たエレポップもポストパンクの一種といっていいはずです。
なのでゲイリー・ニューマンのファースト・アルバム「プレジャー・プリンシプル」も重要作のひとつということにします。


では日本のポストパンクの79年作はどうでしょうか。

なにをもってして日本のポストパンクと定義するのかをまたまた考えてしまいますが、79年にはイエロー・マジック・オーケストラの「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」という怪物がリリースされています。でもポストパンク云々というのと絡めてどうのというのはちょっと違和感があるのでこれは除外。

なのでそれ以外で振り返ってみると、本業を持ったおじさんたちが結成したパーティー・バンドが、79年にイギリスの重要インディ・レーベル「ラフ・トレード」からシングルをリリースしていました。そのバンドはプラスチックス。

Plastics - Robot




アルバムではないのですが、彼らのデビュー・シングル「Copy / Robot」は重要作です。この後、逆輸入というかたちでプラスチックスは日本デビューとなりましたが、プラスチックスはポストパンクってことでいいでしょ。いいです、はい。

というわけで、少しだけポストパンク名盤について書いてみました。タイトルにもありますが、ほかにも79年リリースの名盤・重要作はいっぱいあります。豊作です。例えばスロッビング・グリッスル「20ジャズ・ファンク・グレイツ」、トーキング・ヘッズ「フィア・オブ・ミュージック」、スリッツの「カット」などなど。なんで全然ジャズでもファンクでもないのにそんなアルバム・タイトルをつけたのかと聞かれたスロッビング・グリッスルのジェネシス・P・オリッジは「これからはジャズやファンクが流行るから」と答えたそうな。さすが!



最後に。
なんでアルバム・タイトルが「Y」なのか? それってWHY(なぜ)の意味でしょうか。ネットでもっと探せば出てくるかな。

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