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2021/05/26 15:17

新着アップする際には、商品のレコードの状態を目視することに加えて、当然ターンテーブルに載せて聴くわけですが、その時に思わず聞き惚れてしまった作品が最近ありました。それはポール・ヘイグ(Paul Haig)の「ゴースト・ライダー」です。




この「ゴースト・ライダー」(Ghost Rider)は、スコットランド出身のミュージシャンで、元ジョセフKというバンドにいたポール・ヘイグがリリースした7枚目のシングル「The Only Truth」のイギリス盤12インチのB面曲で、ロック・ファンならタイトルを見ればピンとくると思いますが、ニューヨーク・パンクというかプロト・パンクの二人組「スーサイド」(Suicide)のファースト・アルバム「Suicide」のA面一曲目を飾る曲のカヴァーです。

Paul Haig - Ghost Rider


オリジナルの良さを損なわない程度にアレンジし、原曲にはないサーフ・ギターをフィーチャーして極上のシンセ・ポップに仕上げました。

こんなにかっこいいのにオリジナル・アルバムには未収録で、86年のクレプスキュールのオムニバスに収録されている以外では、2000年代になってリイシューされたコンピレーションCDに辛うじて収録されているだけ。なぜに?。残念です。

実は、このスーサイドのゴースト・ライダーという曲は、色々なミュージシャン、アーティストによるカヴァー・ヴァージョンがたくさんある曲としても有名です。以前ジョイ・ディヴィジョンの「ラヴ・ウィル・テア・アス・アパート」のカバーを集めてブログに書きましたが、今回はこのゴースト・ライダーの秀逸カヴァーをピックアップして紹介したいと思います。

あ、それではまずスーサイド自体の紹介を。

スーサイドはヴォーカルのアラン・ヴェガとキーボードのマーティン・レヴによる1970年結成のふたり組ロック・バンドで、主にニューヨークのライヴ・ハウス・シーンで活躍し注目されました。77年にファースト・アルバム「Suicide」でデビュー。その後は断続的に活動を続けましたが、2016年にアラン・ヴェガが死去し活動停止となり、実質的に解散となりました。商業的な成功はできませんでしたが、様々なミュージシャンに影響を与え、最近では2018年にシャネル(Chanel)の化粧品のCMソングとして同アルバム収録の「Cheree」が使用され、世界中に流れたのが話題となりました。

では本家のゴースト・ライダーをどうぞ。

Suicide - Ghost Rider


すごい。
音はチープでラフでノイジー。リズムがはっきり聞こえない。ほぼワンコードで抑揚のないメロディとまったく歌っていないヴォーカル。なんでこれをみんながカバーするの? いやいや、十分魅力的な曲ですよ。

ちなみに、タイトルのゴースト・ライダーとは、アメリカの出版社マーベル・コミックスが刊行したコミック・シリーズのアンチ・ヒーローのことで、炎に包まれた骸骨頭をしたバイク乗りです。2007年にはニコラス・ケイジ主演で映画化されました。アラン・ヴェガはコミックス版のゴーストライダーの大ファンでした。


さて、まずは一番有名なカバーであるアメリカのオルタナティヴ・ロック・バンドのR.E.M.のヴァージョンをどうぞ。

R.E.M. - Ghost Rider


良い。でも、なんか普通というか予定調和なカヴァーだなあ。彼らの88年のシングル「Orange Crash」のB面曲。スーサイドの二人には印税がたんまり行ったはずなのでよかったよかった。

次は元ブラッグ・フラッグのヘンリー・ロリンズロリンズ・バンドによるゴースト・ライダーを。映画「The Clow」のサントラに収録されています。

Rollins Band - Ghost Rider


ヘンリー・ロリンズは87年の初のソロ・アルバムでもゴースト・ライダーを取り上げています。彼はスーサイドの熱狂的ファンで、アラン・ヴェガが亡くなった際には、ヴェガの家族からステートメントを託され、自身のラジオ番組でそれを読み上げました。

続いては、ゴス・ロック/ポジティヴ・パンクのシスターズ・オブ・マーシーのヴァージョンです。

Sisters of Mercy - Ghost Rider 


アンドリュー・エルドリッチ率いるシスターズ・オブ・マーシーは、真っ黒なコスチュームとダークなロック・サウンドで80年代イギリスで人気を博しましたが、彼らのライヴではゴースト・ライダーがセットリストの定番となっていました。ゴースト・ライダーは公式リリースものには収録されてはいませんがブートレグではいくつも見かけます。

ここまでで、ゴースト・ライダーという曲がギター・バンド・サウンドと親和性が高いということがわかりますが、ではスーサイドと同様のふたり組のシンセ・バンドというかユニットによるものはどうでしょうか。

まず挙げるのはソフト・セルのヴァージョンです。

Soft Cell + Clint Ruin - Ghost Rider


ヴォーカルのマーク・アーモンドとシンセサイザーのデイヴ・ボールの二人組ソフト・セルと、オーストラリアのパフォーマーであるクリント・ルーイン(JGサールウェルというかフィータス)によるライヴでの演奏です。マーク・アーモンドが原曲に関係ない自分勝手なメロディで歌い、フィータスは適当に叫んだり奇声を上げています。印象的なサックスは名プレイヤーのゲイリー・バーナクルです。

ふたり組と言えば、ソフト・セルのマーク・アーモンドの熱狂的ファンでもある掟ポルシェとロマン優光による「ロマン・ポルシェ。」が、ファースト・アルバム「人生の兄貴分」にゴースト・ライダーへのオマージュを感じさせる曲を収録しています。

ロマン・ポルシェ。- 首なしライダー


オマージュというかゴーストライダーそのもの…。オフィシャル映像でなくてすみません。日本代表カヴァーってことで。

ゴースト・ライダーはギターよりやはりシンセのほうが曲にあっているか。

次は、掟ポルシェとも親交のあるジグ・ジグ・スパトニックのヴォーカルであったマーティン・ディグヴィルが後年結成したジグ・ジグ・スパトニック・エレクトロニックによるカヴァーです。

Sigue Sigue Sputnik Electronic - Ghost Rider


機材の進化があってもサウンドはジグ・ジグ・スパトニックの頃のものと変化なし。2013年に配信のみでリリースされた「Cover To Covers」に収録。でもこれ……超絶的にかっこいいんですけど。原曲とSSSエレクトロニックのサウンドの相性が抜群です。

ここまでは男性ヴォーカルのカヴァーを挙げてきましたが、では一曲女性ヴォーカル・ヴァージョンを。

イギリスのシンガーでギタリストのアンナ・カルヴィによるライヴ・ヴァージョンです。

Anna Calvi - Ghost Rider


ヨーロッパでは確固たるプレゼンスを確立している彼女。2014年リリースのEP「Strange Weather」にはゴースト・ライダーのスタジオ・ヴァージョンが収録されていますが、ギター弾きまくりのこのライヴ映像のほうが絶対良いです。ちなみにそのEPには元トーキング・ヘッズのデイヴィッド・バーンが全面的に参加しています。これを観て、元ソニック・ユースのキム・ゴードンがカヴァーしたらかっこいいだろうにと思いましたね。

ゴースト・ライダーは、ほかにもイギリスのラッパーであるM.I.A.がサンプリングしたり、スイスのインダストリアル・バンドのヤング・ゴッズがカヴァーしていたりと、まだまだありますが、ベスト・カヴァー・ヴァージョンはとなると、やはりポール・ヘイグのものでしょう。SSSエレクトロニックのものもバキバキで最高なのですが、その後にポール・ヘイグのライヴ・ヴァージョンを見つけたら、やはり彼のカヴァーが一番であると確信しました。

Paul Haig -  Ghost Rider live on "Riverside" October 19th 1983


これを機会にポール・ヘイグ再評価なんでどうでしょうかね。もちろん彼は今でも現役バリバリです。 (完)


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